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2016.04.14

介護・葬儀・相続の三つの壁

エンディングワークで人生最後の壁を乗り越える

 
養老孟司氏の著書に「死の壁」がありますが、わたしは人生最後には、乗り越えるべき三つの壁があると思っています。
それは、介護・葬儀・相続の壁です。
そして、厄介なことに、その壁が一体となって影響し合っているということです。
エンディングノートを書く主体である本人が、自立した生活が望めなくなる健康寿命が過ぎたころから、主客転倒、親と子どもの立場が逆になっていきます。
すなわち、親は子どもを「見守る側」から子どもに「見守られる側」へと立場が変化していくわけです。
 

問題は「介護の壁」から始まる

ここで、子どもの立場から考えて見たいと思います。
まず問題になるのが、誰が親の面倒を見るのか、誰が介護に関わるかと言うことです。
仮に親が自分の娘に介護などの世話をしてもらえば、その献身的な行為に対して財産で報いたいと思うのが、親の心情でしょう。
しかし、他の兄弟からすれば、今まで親と同居して“いい思い”をして来たのだから親の介護は当然と、違った視点から考えているかもしれません。
問題は介護の壁から始まるのです。
 

「相続の壁」が「葬儀の壁」につながる

現実の問題としても、親の介護をしても遺産分割における「寄与分(きよぶん)」は相続人全員が同意しなければなりません。
また、親の介護費用を負担して、財産の維持や増加に特別な貢献をしたなどの要件が必要です。
そして、家族内の見解の違いから、この「介護の壁」が次の「相続の壁」に発展し、その結果、本人が亡くなったとき、家族が啀み合い、良い葬儀など行えない「葬儀の壁」となってしまうかもしれないのです。
 

三位一体モデルは新しい家督制度

「転ばず先の杖」という諺のとおり、健康なうちに介護・相続・葬儀の三つの壁をなくすためには、本人・家族(代理人)・専門家の三位一体モデルに基づく「エンディングワーク」が有効だと思います。
本人が主体となって、家族の核となる代理人を選び、家族間のコミュニケーションを深め、介護・相続・葬儀などの各専門家の支援を受け、将来の諸問題に対処するということです。
この三位一体モデルは、明治民法の家督制度を連想させるかもしれませんが、昔の封建的な家督制度ではなく、現代社会に相応しい家族の絆を大切にした新しい家督制度と考えることができるでしょう。
 

エンディングワークによって「不安の壁」を解消する

介護・相続・相続の三つの壁は、今すぐに解決できなくても、三位一体モデルに基づく「エンディングワーク」によって、将来を思い煩う「不安の壁」を解消することができるのではないでしょうか。
スイスの哲学であるアミエルは次のように言っています。
「将来を思い煩うな。現在為すべきことを為せ。その他は神の考えることだ」


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